失敗談2

(危うく乗り換え便に乗りそこなうの巻)

 

これも最初の目的地ローマへ行く途中のイスタンブール空港でのこと。

さあいよいよ次はローマへ到着だ、と心を弾ませて出発の合図を機内で待っていたが、待てど暮らせど出発の気配がない。出発予定時間を1時間も過ぎてからやつとアナウンスがあり、油圧装置の故障とかで、この飛行機は離陸できないから、別便に乗り換えるよう、別途指示するまで待合室で待機してもらいたいとの趣旨であった。

さて係員の説明によって、2時間後に別会社の便が出ることは分かったが、どうやってその手続きをすればよいのか、皆目分からない。係員を捉まえて聴こうとしても、お互いに興奮しているため、我々クラスの英語では、こういうときはさっぱり通じない。

とにかく待っていればよいとのことだったので、PAN差し入れのコーラを飲みながら、ただひたすら待つ。2組の日本人に出会ったので、事情を聴いたが、やはりあまり核心を捉えていない様子だった。

そろそろ時間が迫って一部の人たちの名前が読み上げられ、搭乗券を渡されているが、私の名は一向に呼ばれない。痺れを切らして女性係員に必死で食い下がったところ、なぜもっと前に連絡してくれなかったのかと言う。どうやら乗り継ぎ客のみ事前に何らかの届出を必要としたらしい。

ともかく、ぶつぶつ言いながらも、手続きをとってくれ、機内預け荷物を探し出すのを手伝ってくれた後、搭乗券を渡してくれた。

やがて時間が来て、アリタリヤ航空の飛行機に乗り込み、ホッとしたところ、先ほどの係員が入ってきて、あなたの乗る飛行機はこれではない、すぐ降りて付いてきなさい、と言う。やれやれ飛行機を間違えたのか。もっともこれは、たまたまイスタンブールを発ってローマへ行く日本人と一緒になったため、てっきり同じ飛行機でOKと思い込んでしまったからではあるが、それにしてもよく確かめなかったのはうかつそのもの。私の乗るべき飛行機はイラン航空機であった。