アウシュヴィッツの日本人ガイド

中谷 剛 さん

 

 アウシュヴィッツで案内してくれた中谷さんは、現在ただ一人の日本人ガイドです。

 難関のポーランド語による試験を突破されて、’97年4月からこの博物館の専属ガイドとして働いておられます。

 中谷さんの説明は、非常に多角的な観察眼と鋭い洞察力に裏づけされたもので、深い感銘を受け、それだけでポーランドに来た甲斐があったと思ったほどです。

 被処刑者側の恐怖の心情は言うに及ばす、処刑者側の心情についても、どうして人間性を失った機械的人間になりうるのか、またこのような機械的人間を生み出した体制の恐ろしさなどにも言及され、改めて、われわれ現在の日本人の平和ボケを認識させられた次第です。

 個人旅行でここを見学される機会がありましたら、ぜひ中谷さんをガイドに指名するよう、あらかじめ予約を入れておくことをお勧めします。

 

 

<追記1> (2007/10/22)

 上記の出会いから4年後の2007年10月、中谷さんが「ホロコーストを次世代に伝える」(アウシュヴィッツ・ミュージアムのガイドとして)と題して、岩波ブックレットから本を刊行されました(税込504円)。

 小冊子ながら、非常に示唆に富む内容ですので、ぜひご一読をお勧めします。

 

 

<追記2> (2010/4/27)

 次いで、2010年4月26日、私が購読しています朝日新聞の夕刊一面に、中谷さんに関して次のような記事が掲載されました。

 このように、中谷さんのことが日本でも着々と知れ渡っていくことを、氏の人柄を知る一人として嬉しく思いつつ、ここに紹介させていただく次第です。(どうぞ拡大してじっくりお読みください)