6日目

( 105)


ヴァン アクダマル島 ヴァン

 

550分起床。今日は6日目、いよいよ本ツアーも後半に入ったことになる。

洗顔、整髪、着替えなど、朝の支度をしている時、ふと窓外を見ると、ヴァン湖上に見事な虹が架かっているのが見えた。

昨夜は雨が降ったらしく、まだ小雨が残っていたが、これはこれから上天気になる兆しだ。

そしてよくよく見ると、右手後方にうっすらともう一つの虹があるではないか。虹の二重奏である。これは珍しい。消えてしまわないうちにと、急いでカメラを取り出しシャッターを切る。

かくて撮ったのが右の写真である。どうぞ拡大してじっくりとこの珍しい光景をご覧戴きたい。

 

今日はヴァン近郊観光デイツアーの一日である。

8時56分にホテルを出発し、まずはヴァンの中心部にあるヴァン博物館へと向かう。

本日からイスラム教の戒律の一つであるラマダン(断食期間)に入ったとのことだが、ドライバーもガイドさんもいつもと変わらず朝食をとったとか。トルコでは、それほど厳格に戒律を守っている信者は少ないらしい。

ヴァン猫で知られるこの町には猫のモニュメントも見られた。また、ヴァンは逆さチューリップでも有名とか。

 

ヴァン博物館

9時15分、ヴァン博物館に到着。4日目のカルス博物館と同様、2階建ての小さな博物館で、1階には、黒曜石、骨壷、青銅のベルト、馬具、盾、印象、装飾品など、BC900500頃のウラルトゥ王国時代の発掘品を中心としたものが、また2階には、昔の衣服や家の内部を再現したもの、1617世紀の手書きのコーランや1915年のアルメニア人虐殺の資料と人骨などが展示されている。

ここも、個々の展示品の説明文に乏しく、あってもトルコ語のみだったので、今ひとつ興味を惹くに至らず、むしろ館外にある13世紀セルジュク時代の墓石の文様がユニークで、印象に残った。

 

ヴァン城跡

次いで、町の西のはずれにあるヴァン城跡へ。

それはヴァン湖畔の小高い岩山の上に聳えていた。

もともとこの城塞はBC825年にウラルトゥ王国のサルドール1世により築かれたもので、幅7080m、長さは1800mにも及び、その後増改築が重ねられ、今残る城壁の一部は14世紀のオスマン帝国時代のものとか。かつてここには、弾薬庫、貯蔵庫、教会、井戸、モスク、店などがあり、人も住んでいた由。

当時はレンガがないので、城壁などは石と土、そして崩れないように木の根などを使って造っていたようだ。

ガイドに付いて喘ぎつつ登ること約20分、登ればやはり登っただけの甲斐があった。青い空と白い雲、ソーダ色のヴァン湖とのコントラストが素晴らしく、また裏側には16世紀頃からの旧市街が広がっていて、見応え十分だった。

麓に広がる草原にはあちこちに大きな穴があったが、これは古代の財宝を求めて掘りまくった跡とのこと。

モスクは今や古びたミナレットだけが残っており、登ることもできるという。

それを聞いて若い人たちが登り始めたので、よせばいいのに、自分もトライしたところ、螺旋階段は人一人がやっと通れるくらい狭い上に急勾配で、かつ階段そのものがところどころ崩れており、手すりもなく、危険この上なかった。特に下りは足元が覚束なく、慎重に一歩一歩安全を確認しながらどうにか無事に降り立ったが、もう懲り懲りしたものだ。

 

下山後、20分ほど休息の後、昼食のため、湖畔のレストランへ向かう。

レストランはその名も「AKDAMAR」という、まさにこれから行くアクダマル島への舟の発着所がすぐ目の前で、窓からはそのアクダマル島が良く見える絶好の位置にあった。

昼食のメニュは、お決まりのスープに始まり、サラダにメインはインジケファルというヴァン湖だけに生息するボラの一種で、それにデザートはメロンであった。

それにしても、陽のあたる場所に席を占めてしまったため、眩しい上に窓からの輻射熱でその暑かったこと。食事終了後ほうほうの態で逃げ出した次第。

 

アクダマル島

1435分、小船に乗船し、いよいよヴァン湖に浮かぶ唯一の島アクダマル島に向け、出航(?)する。屋根なし窓なしの小船だったが、上天気の上、程よい風を受けて心地よかった。

ヴァン湖は琵琶湖の5倍の大きさで、水は流入するのみで、流出する河川がない塩湖だとか。

20分ほどでアクダマル島に到着、桟橋から少し上に登り、この島のシンボルであるアルメニア教会を外側から見学する。

この教会は915921年にアルメニア王カゲキ1世により建造されたもので、変色しやすいが丈夫なアンデジットという石でできているとか。八角形のドームを持ち、窓の細長い、可愛らしい教会である。

外壁にはアダムとイブの楽園追放を初め聖書に出てくる説話のレリーフが美しく残っていることで知られているが、あいにく修復工事中とあって、非常に見難く、感慨はいまひとつであった。

見学後、ここからでも素晴らしい景色が見られたが、希望者は更に上の丘に登ることとなった。

私もガイドについて、急坂を喘ぎつつ登り、何とか中腹のベストポイントといわれる場所まで辿り着いたが、ここから見た教会と湖と更にその背後に聳えるシュプハン山のパノラマは実に圧巻で、息を呑むほどの美しさであった。

健脚の人は頂上まで行ったらしいが、その分、景色を堪能する時間が少なくなったわけで、ここは中腹止まりにしておいて賢明だったといえる。(負け惜しみかな?)

 

16時ちょうどに再び船に乗って帰路につき、バスに乗り継いで、17時ちょうどにホテルに帰着する。

直ちに入浴し、しばしベッドで休んだ後、19時からの夕食に臨んだが、今夜もあいにく自分の苦手なバイキングであった。しかしこの夜は、この旅行社特有のソーメンのサービスがあり、トルコ料理に飽き飽きしてたところだけに、とても有り難かった。

(本日の歩数 10926

 

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