912日目

 

この日は朝早く起きて観光バスに乗り、ナポリへと向かう。約3時間半の行程であった。

 

ナポリの港に着きバスを降りると、驚いたことに、子供たちが待ち構えていたかのように駆け寄ってきて、銭をねだる。イタリアもこの辺りになるとかなり民度が落ちるようだ。

港のすぐ側にヌオボ城という巨大な城が建っていたが、その重厚な構えは、日本の白の優美さとはまったく対照的であった、

 

 

さて、船に乗って行くこと約1時間半、夢の島カプリ島に着く。海の水のきれいだったこと、話に聞いていた以上だった。

 

まずは小船に乗り換え、カプリ島髄一の名勝である青の洞窟へ。更にボートに乗り移って中に入る。

入口は小さいが、中はガランとした空洞になっている。最初は鼻をつままれても分からないくらい真っ暗闇だ。しかし入口のほうを振り向いてみて驚いた。狭い入口から指しこむ陽光に映えた海水の青かったこと! 背筋が凍りつくような、ゾッとする美しさだった。

 

カプリ島の丘の上で昼食をとった後、歌で名高いソレント半島に渡り、再びバスに乗り込んで、夜11時ころローマに帰着。快晴に恵まれ、太陽の国イタリアを満喫した一日であった。

 

翌5日、ローマを発って、その夜は時差の関係でこれまでで最も短い夜を機中で過ごした後、翌6日の夕方に香港に到着。

予約してあったはずのホテルには、手違いで名前がなかったものの、空室があったので、事なきを得た。

 

7日、曇天ながら、各国からの観光客に混じって、香港めぐりをマイクロバスで楽しみ、その日の夕方を最後に外国の土に別れを告げ、翌7日の19時45分、懐かしの(?)羽田空港に帰着した。

 

 

以上、延12日間の極めて慌しい旅ではあったが、初めて日本を離れ、外国の人間、風物に接したことにより、日本という国を、いくらかではあるが、客観的な目で眺められるようになれたのは、大きな収穫であったと思う。

 

 

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