エピローグ

 

1週間で8島を周るという、移動の多い、一見慌しい旅でしたが、旅行中、それほど慌しいとは感じませんでした。

それは、この国では時間に頓着せず、何事も遅れるのが当たり前という国民性に慣らされたからでしょうか。移動も旅のうち、時間の遅れも旅のうち、と考えれば、別に慌てる必要もなく、ゆったりと時間の流れに身を委ねればいいわけで、分刻みに動く日本での生活のほうが異常なのかもしれません。

治安も、都市部や山岳部を除いては問題がないようで、人々も我々日本人に対して、決して敵意などなく、むしろ親しみを感じているように思えました。

ともあれ、短期間ではありましたが、この旅行のお陰で、今までは未知のことが多くて、近くて遠かったフィリッピンが、より身近に思えるようになったのは収穫でした。

ところで、フィリッピンという国を英語で何と言うかご存知でしょうか。私はこれまで、日本を Japan というように、フィリッピンは Philippine だろうと思っていましたが、これは誤りで、正しくは Philippines と、複数形なのでした。日本も複数の島を有する国ですから、これ流で行くと Japans ということになってしまいます。

もちろん Philippinesというのは俗称で、正式の国名は Republic of the Philippines (フィリッピン共和国)と言いますが、いずれにしても複数形なのは、独立当初は、個々の島への帰属意識が強く、連邦制をとった名残かもしれません。

その点、同じ島の集合体でありながら、古くから中央集権の形をとってきた日本とは異なるのだと思います。

こんなことを知りえたのも、この旅での収穫のひとつでした。

 

以上、いつもにも増してダラダラと、取り留めのないことばかり書いてまいりましたが、この旅日記が、読まれた方にとって、少しでも参考になっていただければ幸いです。

有難うございました。

 

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