3日目(2)

(4/7)

 

セブ島

 

マクタン島での観光を終わり、再び大橋を渡ってセブ本島に戻り、まずはセブ港のそば、海に面したところにある砦、サンペドロ要塞を観光する。

この砦は1738年、スペイン統治時代に造られた三角形の比較的小さな建造物で、サンゴでできており、フィリッピン最古の要塞といわれているもの。その後に続くアメリカ統治時代には兵舎として、また、太平洋戦争時には日本軍による捕虜収容所として使われたとか。

入口では老人がギターと歌で迎え入れてくれ、屋上にはブーゲンビリアなどの花が美しく咲き、その横では今なお残る大砲が、統治時代を偲ばせている。

敷地内で若いカップルと出会ったので寸談したところ、私の歳をぴたりと言い当てたのにはびっくり! ちなみに二人の年齢は男性が24歳、女性が22歳とのことであった。

 

サンペドロ要塞を後に、次に向かったところは、西に500mほど行ったところにあるマゼラン・クロス。

ここは、マゼランが、1521年に造ったという大きな木製の十字架が安置されている六角堂で、フィリッピンで最初にキリスト教徒となったフマボン王と王女ファナ、そして400人の臣下が洗礼を受けた地に建てたものだそうである。

昔からこの十字架を煎じて飲むと万病に効くと信じられており、少しずつ削り取って持ち帰る人があとを絶たなかったとか。今ではこれ以上十字架が損傷を負わないように、堅い木で作ったカバーが施されている。

今では、訪れた信徒らは、赤い蝋燭をここに灯し、願い事をする慣わしになっているようだ。

 

次に訪れたところは、マゼラン・クロスのすぐ北側にあるサント・ニーニョ教会。

熱心な信者で賑わう守護神の教会で、別名サン・オーガスティン教会とも呼ばれているそうだ。

サント・ニーニョとは「幼きイエス」のことで、ここには、かつてマゼランがセブの女王に贈ったといわれるサント・ニーニョ像が納められている。

フィリッピンではサント・ニーニョ信仰が盛んだが、特にこのセブ島では顕著で、それは16世紀にセブが戦火に包まれたとき、その焼け跡にこのサント・ニーニョ像が傷ひとつつかずに横たわっていたという逸話によるものらしい。

我々が訪れた時も、熱心に祈りを捧げる信仰の篤い信者の姿が多数見受けられた。

 

次に向かった観光スポットは更に西に400mほど行ったところにあるカルボン・マーケット。

観光といっても、ここは盗難の恐れなど治安上の関係で、車窓観光であった。

ここは港町にふさわしく、新鮮でバラエティに富んだ魚介類を初めとする食料品、衣料などの生活必需品、籐製品などの手工芸品と、ともかくなんでもありのマーケットだそうで、我々が通った時も買い物客でごった返し、かなりの喧騒であったが、中にはふて腐れて仰向けに横になっている売り子も見られた。

ここは、いずれかの画像をクリックしていただくと、そこから4枚の写真が各5秒で変わるスライドショーになっているので、ご覧いただきたい。

(なお、スライドショーからこのページに戻るには、当該画面の下にある 本文に戻る をクリックしてください)

 

本日最後の観光スポットはセブ市の北西のはずれ、小高い丘の上、その名もビバリー・ヒルズにある道教寺院。

ビバリーヒルズは、中国系の人々(華僑)が住む閑静な高級住宅街で、道教寺院はその一角に“下界”の雑踏を見下ろすように建っている。

住宅街の入口には検問所があり、車を乗り入れるにはドライバーはここに運転免許証を預けなければならないとか。

この寺院は老子を祀った独特な建物で、入口の駐車場から階段を登って寺院のある一番上まで登ると、中国独特のどぎつい佇まいとともに、そこにはセブ市を一望する絶景が広がっており、遥か向こうに、今夜我々の泊まるホテルまで見えた。

 

1640分、ウオーター・フロント・セブ・シティ・ホテル着。

このホテルは、セブ島最大のロビーホールに加え、24時間営業のカジノを併設する豪華ホテルで、客室も絨毯が敷き詰められ、ベッドや椅子、その他の調度品なども高級感あるものだった。

夕食もこのホテルでとるものと思っていたが、それは外ということ。確かにこのホテルでは高すぎて、我々のツアー代金ではまかないきれないのであろう-----と思うのは下司の勘ぐり過ぎか。

 

一旦入室後、1時間あまり時間があったので、入浴して昼間の汗を流し、一息入れた後、改めて夕食に出発。夕方とあって道が渋滞しており、20分あまり走って、市心にあるRISTORANTE PIZZERIA というイタリア料理の店に到着。

店の前には土産物を売りつけようと若い男女がたむろしており、その中を掻き分けるように進んだが、入口にたどり着くまでが大変だった。ガイドのSさんからは、事前に、この連中は回教徒で、たちが悪いので、絶対に相手にしないようにと言われていたが、それにしても執拗だった。

このレストランはイタリアの味がそのまま味わえると評判の店とか。いかにもイタリア人といった風貌のオーナーが挨拶に現れたが、とてもフレンドリーで、我々の来店を歓迎してくれた。確かに最後に出たオーナー自慢のピザは驚くほどジャンボなもので、かつ美味であった。

食事が終わって出る時も、バスのところまで、物売りに執拗にまとわりつかれ、みな難儀したが、帰路は渋滞も解消していて、スイスイ走り、2010分、ホテルに帰着し、本日の日程を終えた。

 

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